デジタルガレージ、サツドラへ「パンゲアデリバリー」を本格提供、国内初の小売事業者向けクイックコマース対応のリテールテックサービスへと進化

株式会社デジタルガレージ（本社：東京都渋谷区、本社：東京都渋谷区、代表取締役 兼 社長執行役員グループCEO：林 郁、以下、DG）は、当社が提供するSaaS「パンゲアデリバリー」について、小売事業者の業務運用効率の改善を実現する大幅な機能拡張を実施し、国内初の小売事業者向けクイックコマース対応のリテールテックサービス^（※1）として展開を強化いたします。
また、DGは株式会社サッポロドラッグストアー（本社：札幌市東区、代表取締役社長 CEO：富山 浩樹、以下、サツドラ）との実証実験を経て、サツドラの104店舗において「パンゲアデリバリー」の本格導入が決定しましたのでお知らせいたします。

■ 背景と経緯

近年、消費者の生活様式の変化を背景に、ネットスーパーやドライブスルー、BOPIS（Buy Online Pick-up In Store）等、実店舗においても様々なチャネルを活用したオンライン販売事業が拡大しております。特に、クイックコマース（即時配達）では顕著であり、そのグローバル市場規模は年間平均成長率25.1%で成長を続け、2028年には約2550億ドルに拡大する見通し^（※2）です。
クイックコマースの導入により、多くの事業者が売上拡大や、多様な販売チャネルを通じた消費者接点を獲得できる一方で、サービスごとに異なる端末やオペレーションに起因する、業務管理・運用の負荷増大が課題となっています。特に、小売事業者においては、様々なSKU（Stock Keeping Unit）、高頻度な商品入れ替え、広い店舗面積等がハードルとなり、クイックコマースの本格的な導入は遅れている状況です。
このような業務課題の解決に向け、DGは複数のオンライン注文サービスを一元管理できるSaaS「パンゲアデリバリー」を、飲食事業者に加え、小売事業者へ向けても展開すべく、機能開発や外部事業者とのシステム連携を拡充して参りました^（※3）。

■ 国内初のクイックコマース対応のリテールテックサービスとして進化

「パンゲアデリバリー」では、これまでのオンライン注文管理の一元化に加え、小売事業者特有の様々なSKUへの対応やデータ処理能力の向上等の機能を実装しました。また、POSシステムに留まらず、小売事業者の多様な課題を解決するリテールテック事業者とのシステム連携等、スタートアップ企業を含む外部企業とのオープンイノベーションを加速しております。
また、この度のサツドラ店舗での本格導入に際しては、株式会社ROMSが提供する「ピッキングシステム」と連携しました。これにより、複数のデリバリーサービスの注文やステータス管理に留まらず、店舗内のピッキング業務まで、一元管理・運用が可能となり、小売事業者が抱えるクイックコマースサービス導入課題の包括的な解決を実現します。

■ クイックコマース運用上の業務課題とパンゲアデリバリーが提供するソリューションについて

サツドラ店舗との実証実験により検出された業務課題と、パンゲアデリバリーが提供するソリューションは下記の通りです。

① 複数のオンラインサービスの一括管理・運用
◎業務課題
・オンラインサービスごとに管理端末が分かれ操作手順や運用ルールが異なるため、注文管理が煩雑になる。
・オンラインサービスを横断した受注の優先順位が判別しにくく、ミスや見逃しにつながってしまう。
⇨パンゲアデリバリーによるソリューション
・ひとつのタブレットで、全てのオンラインサービスの一元管理・運用を可能とすることで、店内オペレーションの効率化と人為的ミスの大幅な削減を実現。

② ピッキング業務（注文内容に基づいて商品を探し、集める作業）の効率化
◎業務課題
・店内で取り扱う商品のパッケージが似通っている場合も多く、商品のピッキング時にミスが多発。
・商品の棚割りを考慮せずにピッキングを進めると、店舗スタッフの動線に無駄が生じ、ピッキング業務に時間がかかってしまう。
⇨パンゲアデリバリーによるソリューション
・商品の棚割りを考慮した最適なピッキングルートの提示によりピッキング業務を効率化。
・スマートフォンで商品バーコードを読み取ることにより、人為的ミスを排除し、正確な商品のピッキングが可能。

③ 店内商品欠品情報の自動反映
◎業務課題
・店内に陳列されている商品は、実店舗に来店した消費者が購入することで在庫切れとなる場合もあるが、オンラインサービスへの情報連携については、個別に棚卸をする必要があり、業務負荷が大きい。
⇨パンゲアデリバリーによるソリューション
・ピッキング時に欠品状態を即時に把握し、クイックコマースのお客様に通知するとともに、全てのオンラインサービスの商品リストから自動的に削除。

■「パンゲアデリバリー」導入店舗でのオペレーションイメージ

■ 今後の展望

DGは今後、「パンゲアデリバリー」において、ピッキングルートのナビゲーションやPOSおよび在庫連携、AIによる需要予測等の提供により、飲食・小売事業者のクイックコマースの業務効率改善・売上拡大に寄与するサービスを拡充してまいります。また、飲食・小売事業者が自社ブランドのもとで店外オンライン販売事業を可能にする、新規サービスの開発準備を進めており、決済サービスも併せて提供することにより、グループ戦略である「DG FinTech Shift」のさらなる加速と、日本におけるクイックコマースの発展に貢献して参ります。

■ コメント

株式会社デジタルガレージ  執行役員 事業戦略設計推進担当  冨永 大輔
DGは、決済とデータ、テクノロジーを融合したグループ戦略「DG FinTech Shift」のもと、DGの基幹事業である決済サービスと親和性の高い、金融サービスや産業特有の課題を解決するDXサービスの開発を推進しております。このたびの「パンゲアデリバリー」の進化は、労働力不足やインフレに伴うコスト増等の課題を抱える飲食・小売業界の成長性・生産性向上を支援することを企図しており、サッポロドラッグストアー様に導入を頂けたことを大変嬉しく感じております。今後、業界内の関連事業者ともさらに協力関係を強化し、ドラッグストアを始め、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなど、幅広い小売事業者を対象に、「パンゲアデリバリー」をご提供し、日本のクイックコマース市場の拡大に貢献してまいります。

株式会社サッポロドラッグストアー  執行役員 事業戦略本部 本部長   大井 拓人 様
弊社は、『地域をつなぎ、日本を未来へ。』をグループコンセプトに事業開発を進めております。その中で、弊社店舗のO2O化は重要なミッションの一つです。お客様により便利で楽しく店舗をご利用いただくために、最も関係性が高く重要な点は、従業員の業務効率と業務体験です。今回のデジタルガレージ様との共同開発の結果、煩雑化する従業員の3Pのクィックデリバリ受注業務において、業務効率と業務体験を大幅に改善できたことを確信しております。今後パンゲアデリバリーが多くの小売業者さまによってシェアされることで更に進化していくことと、こちらのシステムが人口減少に伴うビジネス現場での省人化に貢献することを期待しています。

※1: 2024年8月時点、デジタルガレージ調べ
※2: 出典The Business Research Company「Quick Commerce Global Market Report 2024」
※3: デジタルガレージ ニュースリリース 2022年3月1日 https://www.garage.co.jp/pr/release/20220301_02/