Designing
New Context
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韓流ドラマやK-POPだけでなく、ファッション、メイク、インテリアに至るまで流行の発信源となっている「Kブランド」。2021年に日本に上陸した韓国のセルフジェルネイルブランド「ohora」は、公式ショップ開設からわずか9カ月で販売累計数150万個・購入者数26万人を突破。国内の複数メディアでベストコスメを受賞する人気ブランドにまで成長した。
そんなohoraが2024年に日本上陸3周年を迎え、ブランドのあり方を再定義するリブランディングを行った。ohoraはどのように進化するのか?3周年記念として開かれたPOP-UP STOREを訪れ、ohoraの日本展開をサポートするデジタルガレージの担当者にこれからの展望を聞いた。
ohoraは日本でのローンチ時はオンラインマーケティングのみを展開してきたが、時代の流れに合わせ、ユーザーとのタッチポイントを増やす企画として複数回POP-UP STOREを開催してきた。今回のPOP-UP STOREは日本上陸3周年記念として、6月27日〜7月3日に渋谷スクランブルスクエアで開催された。
日本でohoraのマーケティングを担うデジタルガレージの古屋 仁俊氏は、POP-UP STOREのおもしろさを「デジタルとは売上上位商品が異なる点」と話す。2024年7月5日時点、公式サイトでの人気のトップ3は、ネイル・ペディキュアともに、ピンクやベージュ、オレンジ、グレーといった、いわゆる「失敗がなさそうなカラー」デザイン。一方、POP-UP STOREの人気上位を見ると、グリーンや柄のパターン等「冒険デザイン」が目立つ。「実際に見て『意外に良い』と感じるお客様が多い」のだという。
日本上陸からちょうど3周年となる今年、ohoraは「ブランドの統一」を目指したグローバル規模のリブランディングを行った。今までの「ネイル」の枠を飛び出して、日常に寄り添った手や足に関するセルフケアソリューションを提案し、ライフスタイルを応援する「セルフケアパートナー」にポジションを変えたのだ。その姿勢を表すように、新たなブランドコンセプトでは「ありのままの日常をちょっぴり幸せにする」ことを掲げている。
国内で韓国コスメの人気が高まる中、ohoraは日本独自のマーケティング戦略を展開してきた。製造以外の全て(商品企画からプロモーション、サイト運営、販売管理等)を担っているのが古屋氏が率いるデジタルガレージのコマースマーケティング本部内のチームだ。チームには戦略立案のスペシャリスト、デザイン、広告等多様な専門家が揃っている。
3年間で日本での認知を拡大させたohoraだが、古屋氏は海外ブランドならではのマーケティングの難しさもあったと振り返る。日本参入時はグローバルな戦略に合わせて多額の予算でディスプレイ広告とインフルエンサーによる広告を実施したが効果がなく、チームで立案したマス広告をきっかけに認知が拡大、オーガニック検索も増加したという。さらに、ディズニーストアとのコラボ商品や、ロッテ「ガーナ」とのコラボ商品も日本マーケットに合わせた独自展開だ。
新しいフェーズに入ったohoraブランド。今後の展望を「デジタルガレージ社内での連携強化によるアップデート」と古屋氏は語った。グループ会社の決済プラットフォームの活用や、サイト構築やレコメンド機能に強いDGコマースやナビプラスなどともタッグを組む構想中という。リブランディング後のohoraのマーケティング戦略にも、目が離せない。