CEO Comments CEOコメント

林 郁

代表取締役 兼
社長執行役員グループCEO

CEO Comment Vol.48 『平成23年6月期 第2四半期決算と「Social Media Incubator」としての進展』

 本日(2月9日)の臨時取締役会での承認の上、平成23年6月期第2四半期の決算短信を発表させていただきました。
(詳細は、2月10日の決算説明会でご説明する予定です。)

【平成23年6月期第2四半期累計期間 決算ハイライト】

1. 昨年12月27日に第2四半期業績予想を上方修正いたしましたが、確定値は、前期比、計画比ともに大きく上回ることができました。第1四半期においては、経常利益の黒字化を実現し、第2四半期においては、営業利益の黒字化を実現することができました。

2. 要因として、(1)前期に組織再編を行い競争力を高めたハイブリッドソリューション事業において、メディア構築型の新たなソリューション手法が高く評価されたことに加え、(2)ベンチャー・インキュベーション事業において、海外未公開株式マーケットの活況を受けて投資ポートフォリオの一部売却が実現できたことが挙げられます。

3. 成長ドライバーとして注力中のメディア・インキュベーション事業においては、Twitterの国内利用者数が1200万UUを超え(ネットレイティングス社調べ)、国内有数のソーシャルメディアとしての地位を確立したものと考えています。

4. マネタイズの進展としては、昨年9月に実施されたTwitter公式サイトの大幅リニューアルにより、バナー広告に続く新たな収益ラインのインフラが整備されました。自社メディアのtwinaviにおいても、ソーシャルメディアのプラットフォームビジネスへの展開準備を進めております。

 DGグループでは、例年「今年のスローガン」を設定し、キックオフの全社員総会で発表しています。
今年は以下のようなスローガンを設定しました。

「Local Context on the Social Web」
<ソーシャルメディアは、ゲーム、リアルタイムWeb、そしてビジネスへ…。>  

 以下、今期前半6ヶ月の事業ハイライトです。

I.電子書籍事業への参入とスマートフォン向け事業開発

 今後の急成長が期待できる電子書籍市場において、ソーシャルメディアを足がかりとした事業シナジーを視野に入れ、昨年12月に電子書籍・コンテンツ配信プラットフォーム事業の有力ベンチャー、株式会社メディアドゥに約15%の出資を行い、外部筆頭株主になりました。Twitterを活用し、コミュニティに集まったユーザー同士が電子書籍に関する情報や感想を共有できるサービスを提供することなどを通じて、電子書籍市場に新たな付加価値をもたらすことを目指します。また、電子書籍市場における商流の中核となるシステムとしてメディアドゥが提供する「コンテンツアグリゲーションシステム」の機能強化にもDGグループを挙げて協力していきます。具体的には、DG が展開する電子決済サービスや広告販売との連携および、ソーシャルネットワーク機能の追加を予定しています。

 このほかにも、今後の急成長が期待できるスマートフォン市場を見据えたモバイル事業の再編を図りました。従来型の携帯端末に向けた通信キャリアに依存した公式サイト事業を、電子書籍事業参入を契機に見直し、ソーシャルメディアを中心に据えたスマートフォン向け新サービスの開発と事業化を推進する株式会社ウィールを設立しました。電子書籍ビューワーのマルチデバイス展開なども検討していきます。詳細は近々発表させていただく予定です。

II.ソーシャルサービスの収益化に向けた企業向けサービスの強化

 Twitter 日本事業の支援などを通じて培った、ソーシャルメディアの企業利用に関するノウハウを活用した事業拡大にも着手しています。Twitterを製品プロモーションに積極利用する企業などに向けた運用/マーケティング支援ツール「Tweetmanager」に加え、Twitter以外のソーシャルメディアも併用する企業に向けたサービスの提供を目的とし、Twitterに加え、Facebook、Foursquare、LinkedIn、mixiといったさまざまなソーシャルメディアを一括して管理できるダッシュボード型のツールを提供する、カナダHootSuite社と昨年12月に提携しました。HootSuiteの有料アカウントの国内における総代理店として、日本におけるHootSuite事業を支援します。HootSuiteは全世界で100万人以上が利用しており、中でも日本のユーザーの割合が高いという特徴があります。

 また、昨年10月には社内での情報共有を目的としたマイクロブログサービス「BirdFish」の本格提供を開始しました。Twitterのような「つぶやきスタイル」での投稿により、従来の電子メールやインスタントメッセンジャーなどのコミュニケーションツールと比較して、リアルタイムかつ多くの同僚に情報が伝播するという特徴をもっています。BirdFishの販売については、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)などのパートナー企業との連携も図っています。IIJは、自社が提供するクラウド型のグループ ウェアサービス「IIJ GIO サイボウズ ガルーン SaaS」と BirdFishを連携させたソリューションの提供を予定しています。

III.シリコンバレーで注目のベンチャーPath社への投資と新規案件の発掘に関して

 DGグループの将来を支える事業の芽を探すスタートアップ企業への投資事業においては、iPhoneユーザーなどに向けた写真・動画共有サービス「Path」を運営する米Path社への出資について同社と合意しました。Path は、Twitter や Facebook などのソーシャルメディアの一般的な使い方とは一線を画した、プライベートなネットワー クの中で写真や動画を共有するサービスで、家族や親友などごく身近な人たちとの間で、自分の周りで起きている出来事や情報を共有することに特化しています。

 新規投資案件の発掘については、株式会社ネットプライスドットコム株式会社カカクコムと共同運営する「Open Network Lab」において、起業家育成プログラム「Seed Accelerator」の第2期に参加する4 チームを昨年12月に選出しました。3カ月の育成期間を経た後にグローバルな市場での事業展開が期待できると判断したチームには投資を実行し、継続的な事業開発の支援を通じて、日本から世界に向けて羽ばたくスタートアップ企業を生み出すことを目指します。

 ソーシャルメディアを立ち上げるスタートアップ企業の姿そのものが映画化される時代背景において、Social Media Incubatorを標榜するDGグループは、企業とユーザーの双方に利益をもたらすエコシステムの創出を通して事業拡大に努めて参ります。
株主・投資家の皆様には、引き続きご指導・ご支援を頂きますようお願い申し上げます。


  1. Home
  2. IR情報
  3. CEO Comment Vol.48 『平成23年6月期 第2四半期決算と「Social Media Incubator」としての進展』